楼閣


些細な日記とオリジナルの和風ホラー小説の公開
by doitou
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風邪です

することがゲームか読書しかなくて、割に暇です。
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by doitou | 2006-02-25 08:19 | 日記

俺の屍を越えて逝け

はい、ここで小話を一つ語ろうじゃありませんか。

え?他所のお宅の話なんぞ聞きたかない?

まあまあそう言わずに、私なりに面白おかしく話そうってんですから、ちょいとばかりご清聴頂くと、はいこれ嬉しいってなもんですわ。
ああ、聞いてくださる?そいつはありがてえ。
まあ、あれですよ。おまえさん何処の生まれだい?ああ、そう。
そいえばねえ、この京には妙な一族が住んでるんですよ。
入れ替わり立ち代り、成人間際の子供たちがうろうろうろうろ。そこの家の庭にはね、夥しい数の墓があって、その子供たちが埋められてるんだって。
恐ろしい?ああ、そうだね。でもそこの住み込みのお手伝いさん。
これがまた元気でよく働くからご近所にも評判なんだけど、お手伝いさんはなーんも怖いことはないですよ、なんて言いなさる。
はて、前置きが長い?ああ、そんなことはこの話を聞こうという人ならみんな知ってる?
はいはいはい、そうでしたね。じゃあ、手っ取り早く言っちまいましょうか。
いえね、そこの家に一人の男がいたんですよ、名前は直実、いい名でしょ?
その子がまた、人に有り得ざる程の緑の黒髪に、露草のような眼をしてましてね、巷で噂の鬼でも出たかと大騒ぎ!
へ?なんで大騒ぎになったかって?
そりゃ見ちゃったんですよ。
ご近所の紗枝っていう、まあ黒髪の可愛い子が居ましてね。その子が・・・。その男がまるで鬼のような形相で弓を射てるのを。
紗枝はもう、怖くて怖くて震え上がってしまった訳ですよ。
で、こう言った。

「鬼!化け物!」

でも、直実はなーんも怒りませんでした。それどころか。

「今は鍛錬中だ、そこに居ると危ない。子供はさっさと帰りなさい。」

そう言って、お手伝いに何か告げると、またまた鬼のような形相で弓を射始めたんですよ。
おかしな子供ですよね?
紗枝はすっかり毒気を抜かれて、その場でぼうと立っていたんですが、お手伝いが、ひょひょひょ、っとしゃしゃり出まして、紗枝の手に袱紗包みを持たせてやった。
中を見れば、きらきら光る、そう金平糖が一握り。
女の子は甘いものが大好きと相場が決まっておりますが、紗枝もご多忙に漏れず金平糖は大好物。しかして、紗枝の目は直実から離れません。
お手伝いが「もう夜遅いから帰りなさい」、と言うまでずーっと、紗枝は直実を見ておりました。
若い女の子と言うのは分からぬ者で、いやはや化け物呼ばわりした直実に、ちょっとした興味をもったみたいで、次の日もその又次の日も、その妙な家に足を運んだ訳ですわ。
そして半月もたったある日、その頃には二人して少々会話をするまでになっておりましたが、はて?今日は直実は弓を射ておりません。
代わりといっちゃなんですが、頭にちょんと角を生やした女の子が一生懸命に薙刀を振るっております。

「ねえねえ、ここに居た直実と言う子供を知らない?」

と、紗枝が尋ねれば、その女の子、きょとんとした顔で、

「おじ様なら、もう初陣に向かわれたよ。」

と、至極当然に答えます。
紗枝は愕然としました、そう、直実は京で流行りの鬼たち、その退治に向かってたと言うのです。
いくら直実が頑張ろうと、鬼相手には人間なんぞ一溜まりもありません。紗枝のおっとうも鬼退治で帰らぬ人となった一人です。
その女の子、夢路と言いますが。夢路が言うには一月は帰らぬとの事で、とぼとぼとぼとぼ紗枝はおっかあの待つ家へ帰っていった次第です。
それから一月、さて今日こそは直実が、それとも明日か。
紗枝は毎日毎日その妙な家の前で待っておりました所、その月も終わりというその日、ようやっと直実が帰ってまいりました。
家にいるときより逞しくなった直実ですが、まあ体中ぼろぼろで、紗枝は見た瞬間泣き出してしまいました。

「もうやめて、鬼退治なんて無理よ!」

でも、直実は何も言いません、紗枝は何度も泣いて頼みました。討伐から生きて戻る度、何度も何度も。そのうち一年が過ぎ様としたある日、直実は紗枝に何も告げぬまま、静かに息を引き取りました。ええ、一族の事も鬼のこともなんにも知らぬま
ま、紗枝は一人直実の墓の前に花を供えていました。毎日毎日。
お手伝いも何も言いやしません。その内ふっと、紗枝が来なくなったのです。それからまた数日後、お手伝いは直実の墓の隣に小さな墓標を立てました。紗枝は鬼の巻いた流行り病でぽっくり逝ってしまったという事です。

やれ悲しや、やれ哀れや。

そうして漸く朱点童子を倒した一族、初代の転生に合わせて子供達も各々生まれ、独り立ちしていく中ではやり、直実も生まれ出でる訳ですが、さてはて、昔の事が頭にないのやら。

彼は今も平安から続く武道の名家国東家の庭先で弓を射ております。
縁側では幼馴染の紗枝ちゃんが、金平糖を片手にのんびり日向ぼっこをしております。
え?結局何の話かって?
ああ、大した事じゃございませんよ。あっしの親父の親父の話でさあね。

そうそう、あっしの祖父の直実は並々ならぬお喋りだったそうですよ。
あ、いえいえ、人の秘密をしゃべっちまうお喋りとは違うんですよ。とにかく紗枝に秘密一つ有っちゃならんと、その日起きたことをべらべらべらべら、機関銃のように口を利くそうです
わ。あっしもその辺は祖父に似たんですな、いやいや。
ああ、あっしの名前?お恥ずかしいですが「実流」こう書いて「みのる」と読むんですよ、へへ、祖父の息子の名前でさあね。可笑しなもんでしょ?
まあ、それはそれで、ご清聴ありがとうごぜえました。
なんかあったら、遠慮なく言って下さいな。
は、つまらん?
それを言われちゃお終いですね。
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by doitou | 2006-02-24 14:53 | 2次創作

きょうはちょっと

過去に書いたものでも上げたいと思う。
俺の屍を越えて逝け から小咄
オリジナル から 何か色々と
ファンタジーやらなにやらなら、ないことはないんだが、日本人の書いたファンタジーは、なじみが早いと共にどこもかしこも日本人チックなファンタジーだ。

箸で飯を食う姿しか想像できない、アンドレだとかメルとかそういう名前の人々。
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by doitou | 2006-02-24 14:45 | 日記


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